メガエルレイドにはたきおとすを採用するか否か
〜記事を読んでいただく前に〜
故に、私が今記事で述べる事は人によっては的外れなのではないかと思われる内容が含まれる可能性がありますが、「どちらが正しいかと言うよりも、私自身は個人でこう思っている」ということに重きを置いている事を御理解頂けますと幸いです。
・シングルレート準拠の考察となっております。
皆さんこんにちは。
最近、と言うよりもかつてのシーズンについても同じ事が言えるのですが、エルレイドの技の使用率ではたきおとすという技が思った以上に採用されています(シーズン16現在使用率32%前後)。
はたきおとすを採用する理由などを検索してみたところ、主に「クレセリア、ゴーストタイプに打点を持てるから」という理由だそうです。
しかし私は、「打点を持てるから」という理由で補助技の宝庫であるメガエルレイドの貴重な技スペースを1つ、2つ、3つと埋め、極端に言えば汎用性を落とすというのにはあまり賛同できません。
何故はたきおとすという1つの技の話なのに2つ3つ技スペを埋める話にまで飛躍するのかと言いますと、はたきおとすを搭載した型で皆さんがパッと思いつく型は「HS身代わり剣舞型」なのではないでしょうか。
私ははたきおとすを採用している型はこの型しか思いつかないので、「はたきおとすを採用するということは必然的に剣舞、身代わりも採用されている、またはどちらか1つは一緒に搭載されている」とほぼ決めつけですが認識しています。
正直な話、私自身がこの型をあまり信用していない節があるのです。
このHS身代わり剣舞型の強みは「エルレイドを受けようと出てくる物理受けを逆に起点にできる」ということです。
確かにこの型を初めて聴いた当時、私自身もよくできていると思いました。
ですが、ここで理解して頂きたいのは「これは飽くまで机上論なのだ」という事です。
(HP175のメガエルレイドの身代わりが残るのはダメージが42以下の時)
しかしここまでなら大した問題ではないですし、Hに振っていた努力値を少しDに回せばいいだけなので、これだけの事で「これは飽くまで机上論()なのだ」と騒ぐのだったらただの揚げ足取りだと私が笑われるだけでしょう。
ではなぜこの事にわざわざ触れたのかと言うと、「努力値にこれ以上の猶予がないのだ」という事実を知って頂きたかった為です。
Sをメガ後105族抜きまで落とそうにも、メガシンカ前の種族値が80しかないのでホルード、ヒードラン、最速マンムーなどといった本来勝てる相手に場合によって勝てなくなることがあるので余程のことがない限り最速安定だと考えています。
それを踏まえて話を戻しましょう。
この型でクレセリアを倒すには最低でも2回剣の舞をしなくてはなりません。しかもHB特化クレセリアに至っては2回舞った状態(A4段階上昇)のメガエルレイドのはたきおとすでも、A無振りでは中乱数一発という積みの割に合わないダメージしか期待できません。
先ほど触れた話の通り、Aに振る努力値など残っていません。
私自身はここまで気付いても「いや、でも急所率を考えれば割と高い確率で起点にできるからまだ強いじゃないか」と推理モノの漫画で悪あがきをする犯人役のように思っていました。
しかし先ほど何故机上論と言ったのかという本題はここからです。
そもそも、「起点にできている」の定義とはなんなのでしょうか。
当然個人にもよりますが、結論から言いますと私の中ではこの型は「クレセリアを倒す事は出来ても起点に出来ている訳ではない型」と分類しました。
何故なのかと言いますと、この型は最も良い形でクレセリア、及びスイクンを起点にして倒す事に成功したとしても、ゴツメダメージ1回分(約16%)+身代わり2回分(約50%)で約66%もHPが削られてしまうことになります。
これでもっとも良い形なので、実際はもっともっと厳しいです。
後出しされたクレセリアなどを起点にして倒したとしても、後出しされた際にはたきおとすを撃たずに残り一つのメインウェポンで1度ゴツメを殴ってしまっていると先ほどの約66%(みがわり2回分+ゴツメ1回分)にさらに約16%(ゴツメ1回分)が追加され約82%も削られてしまい、様々なスリップダメージ、先制技などを懸念しなくてはなりません。
そもそもインファイトを撃った後だと身代わりが攻撃を絶えられなくなってしまい、型として破綻します(後述)。
そしていくらみがわりが残っているからといっても残りHPが18%では全く安心できません。
メガガルーラの不意打ちで縛られるリスクがあり、タスキ持ちでS111以上のポケモンに倒される上に、ハイパーボイスなどの音技、特性すりぬけのポケモン達にビクつきながら戦わなくてはならないし、スカーフ持ちの連続技(ガブリアスのダブルチョップ、マンムーのつららばりなど)もチラついてしまい、抜きエースとしては非常に心細いです。
インファイトを切ってドレインパンチにすると突破力が著しく落ちてしまい、それこそ全抜きは愚か2体落とし切れるかも怪しくなりますが、かといって思念の頭突きも思った以上に火力がない上命中にも不安が残ります。
ぱっと見だとわかりにくいですが、実際に使ってみるとこの型、実はメガクチート並の択を迫られる型で、「これは安全に起点に出来るのだろうか」という疑念が湧いてしまうのです。
それに四苦八苦してしまう時点で私は「起点に出来ていない」と判断しました。
メガエルレイドは積みアタッカーにしては課題が多すぎるのです(先制技に弱い、積んでもSが上昇しない為単純に自分より速い奴に弱い、アローに弱いなどなど)。
格闘タイプ+悪タイプという技の組み合わせ自体はとても優秀です。ローブシンやカイリキーのサブウェポンのはたきおとすやしっぺがえし、ダブルではズルズキンなど、そのタイプの組み合わせで範囲が取れるのは事実です。
しかしながらメガエルレイドというポケモンにはあまり必要ではないと私は思っています。メガエルレイドは、優秀な補助技で後続のポケモンとうまく連携して相手を倒すことポケモンなのです(そこに貴重なメガ枠を使う価値があるかどうかというは個人の判断ですが)。
クレセリアなどの物理受けを無理して見る為にわざわざ技スペースを圧迫し、本来相手に出来ていた数体の対策を怠るというのは非常にもったいないです。
はたきおとすを採用するなんてありえない!と完全に否定する訳ではありませんが、他にも優秀な補助技を採用する方が良いのではないか、と考えています。
最後に、既存の型を完全否定するという内容になってしまい(しかも無名が)申し訳ありませんが、『当時の環境と今の環境を比べ、型を最適化していく』という所謂自然淘汰(大袈裟な言い回しですが)はどのポケモンにも必要です。
昔はガルーラのメインウェポンはおんがえしばかりでしたし、メガゲンガーの祟り目なんて殆ど見ませんでした。環境の中心にいる俗に言う厨ポケ(死語)ですらそのように型が研究され、環境に合わせて最適化されていくのですから、マイナー気味でありながらも好きなポケモンを使って勝ちたいのなら、それと同じくらいないし、それ以上にでも考えて環境に合わせ最適化していくのが大切なのだと私は思います。
今好きなマイナー寄りのポケモンで勝率が芳しくないと感じるのでしたら、そのポケモンの型を見て、それは本当に実践向きなのか?机上論だけの型ではないのか?『今の環境でも通用するのか?』ということを改めて確認してみると良いのではないでしょうか。技構成1つの違いでもかなり変わってきます。
たかが1体のポケモンに1つの技を採用するかしないかでここまで話が飛躍し、長い駄文になってしまったことをお詫び致します。
読んで頂きありがとうございました。